太田総合病院 医療安全管理部長・看護師 峰村尚子様、薬剤部長 井上順博様、医事部入院課長 野本博一様
峰村当院では、今までインシデントレポート報告を紙で運用していました。集計作業に膨大な時間が投下されていました。オーダーリングシステムの導入があり、この機会に一緒にインシデントレポートをシステム化したいと院内で働きかけ機能面・コスト面からCoMedix(コメディクス)とファントルくんを合わせて導入しました。
峰村使いやすそうであること、集計ができて、分析もできること、コメディクスとの合わせた導入でサーバーなどのコストもあまりかからなかったのが決め手になりました。
井上集計後に数字であらわされるのが良いですね。私たちは理系が多いので、数字で語られると説得力がある。そういったものが一目瞭然になっていて、状況把握に最適だと感じます。
井上薬剤師として想定していないインシデントが発生したときに、直ぐに問題が分かる。また、部門の責任者が想定していない職種間のつながりが明確になるので、それが見える化されているのが良いです。
峰村看護師としても、職域を超えて情報共有ができるのは大きいです。 当院はジェネリックを多く処方しているのですが、看護師は、すべてを把握しているわけではないので、それを薬剤師の方に、コメントを含めて対応してもらえるので、情報連携ツールとしても、非常に重宝しています。 伝えたいことも、システムを通じて、事前に情報共有できます。その後、直接のコミュニケーションがあった際に、時間に制限がある中で効率的なコミュニケーションができるのも、大きなメリットだと感じています。
野本医事課でも活用をしています。事案が起こったことについても、直ぐに共有ができるし、みんなの意識も高まっているのが分かります。 情報伝達が遅くなると、間違いが立て続けに起こるケースもあると思います。 間違いが起こったことを、直ぐに共有し対策することで、未然にということは大きいと思います。 匿名性がしっかり担保されるのも、良いですね。誰がやったのかということで、責任追及問題になり、問題の本質から遠ざかってしまうこともありますが、そこが担保されているので、良いです。
峰村ファントルくんはポップな画面でとっつきやすく、一画面で書きやすい為、職員は気軽に書いてくれる、そのためデータが集まりやすい。集めたデータは日本医療機能評価機構用の項目を基本としている為、日本医療機能評価機構のデータと比べ他病院比較ができます。 自病院の医療事故に関する状況はどうなのか、実は気になる所です。
峰村コメディクスの機能の中で「お知らせ機能」があり、医療安全に関する情報を配信するとたくさんの職員が目を通してもらえます。その理由としてコメディクスはイベントなどのスケジュールを管理している為、ほとんどの職員が毎日目を通しているからです。 また、既読・未読機能があり、今までインシデントレポートを見ていなかった人も見るようになることを確認でき職員全体の医療安全へ対する意識を感じることができます。 これをきっかけにコミュニケーションを取る時もあります。
峰村当院では転倒転落の発生が少ないように感じます。 システムで見える化し、根本的な解決に取り組んでいる成果だと思っています。 必要性を理解した上でセンサー類を利用すればさらなる効果が発揮されると思っています。
峰村ファントルくんを導入して大きく変わったのは、院内の部門の垣根がなくなっているというところだと思います。いろいろな専門職が、それぞれの立場の考え方がある中で、情報共有ができている。前提を把握したうえで、コミュニケーションができるようになる為、風通しが良くなっています。 インシデントをシステムで見える化し共有することで、医療の質が高まっているのを肌で感じます。
峰村メディシステムソリューションは株式会社日本経営のグループ会社ということで 経営視点からの医療安全を期待しています。 経営への影響を見える化・分析し、経営者にも説得力があるような情報などを提供してもらうことにより、もっと病院全体で医療安全に対する意識は高まります。 病院間だけでなく、一般企業からの視点・情報も非常に重要であると思っています。
1927年開設。261床。
地域に根付いた歴史ある病院で、主柱は耳鼻科・整形外科・産婦人科である。 年間2,500件を超える手術、700件以上のお産、人工関節・腰・頸椎の治療を備えた急性期病院である。当院理念の下、地域の方々の価値ある健康を守るために職員が一丸となり、安全・感染に留意し、安心で思いやりにあふれた医療・看護の提供に努力・邁進している。
医療法人愛仁会 太田総合病院様 取材日:2016年01月12日